Eile mit Weile

のんびり、ゆっくり、急がば回れ なブログ

ベルリンとアートをめぐる旅その11 ドクメンタ14

2017.7.17. 8日目

 

2日間のミュンスター彫刻プロジェクト見学を後にして、次の目的地はカッセル。

ドクメンタ14の会場へ。

 

禁書でできたパルテノン神殿 どーーーーん。

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テーマはアテネに学ぶ。

 

今年は超赤字を出して裁判になってたりいろいろあるみたいだけれど、5年前の衝撃を忘れられず、2度目の訪問。

 

前回メモした感想を見てみるとこんなことが書いてあった。

 

テキスト以外で印象に残ったdOCUMENTAの作品は、ほとんどが二面性を持つというか二律背反というか、そんな作品でした。
「表と裏」「西と東」「戦争と平和」・・・などなどなど。

 

 

なんとなく西洋的な価値観で善と悪を切り分けていたり、もしくは勝者と敗者どっちからものを見るかで見え方が変わるというような視点で見せている作品が多い気がしていた。

 

そんなことを踏まえつつ今回の作品たちを眺めていると、世界は5年前と比べるともっと複雑で混沌としているんじゃないかと、胃の奥の中のもやもやしたもの後ぎゅーっと絞られているような、なんだか重苦しい気分になった。

何が善で何が悪かの境界線はどんどんあいまいになり、先人が積み上げてきたものはさらさらと砂の城のように崩れ落ちていく。あと数百年後には、いや、もしたら数年後には私たちが今手にしている安全や安心は全てなくなってしまっているのかもしれない。それを守るためのラストチャンスは今なんだよ、と語りかけているようなそんなことを感じたカッセルの街だった。