あいちトリエンナーレに行ってきた ー芸術文化センター篇ー
今年の夏休みは海外には行かず、あいちトリエンナーレに初めて行ってきた。
3泊4日で時間的にもかなり余裕があると思っていたけれど、それでも全部は見て回れず。
色々と感じることも多かったのでここに感想を記しておこうと思う。
まずは、芸術文化センター篇。
8月6日 12時過ぎに名古屋駅着。とにかく暑い。
ホテルの最寄り駅までは地下鉄で1駅だったのだけれど、荷物をもって暑い中を地下鉄移動は厳しいと思い、タクシーでホテルへ。
チェックイン後、少し休憩してさっそく芸術文化センターへ。
3時間程度で大体見て回れるかなと思っていたけれど、映像作品も充実しているので全然時間が足りなかった。
ここからは気になった作品の感想を。
シール フロイヤー
床に小さな星がぽつんと・・・
空から星が落ちてきたような不思議な空間
伊藤 ガビン
≪モダンファート 創刊号 特集 没入感とアート あるいはプロジェクションマッピングへの異常な愛情≫
ニヤニヤが止まらない作品。
没入感に食傷気味だったのに、思いっきり没入感に浸ってしまった。
点々飛ばすやつとか、あるある過ぎて思いっきり笑った。(デジタルアート界の知り合いいないけど)
永田 康祐
≪「Function Composition」「Semantic Segmentation」Translation Zone≫
言語・翻訳についての考察を、料理を切り口に語る。
今回、トリエンナーレのような芸術祭が日本で、日本語(母語)で開催されることをものすごくありがたいと思ったのだけれど、それを具体化してくれたような作品。
海外の芸術祭を見に行っても、言葉の壁というのはものすごく高くて、最近は自動翻訳なんかもあったりはするけれど、どうしても考えが深まらない、そのもやもやはこういうところにあるのかな、となんとなく。
出てくる料理が美味しそうなのもとても良い。
田中 功起
≪抽象・家族≫
初日に時間が足りなくて、3日目に改めて観に行った作品。
途中休憩をはさみつつ約3時間じっくりと。
3つのパートに分けられた映像と写真やテキスト、抽象画などが広い空間にコラージュのように配置されている。
日本とそれ以外の国にルーツを持つ4人が共同生活しつつ作品を作る。その過程とともに、彼らがどういう人生を送ってきてどんなことを考えていた(いる)のかを語っていく。淡々としているのだけれどつい見入ってしまう。
映像を日本で、日本語で見ながら、日本人とは・・・を考える。
そして映像を観るまで周囲に配置されたものはただの写真や家具や抽象画だったものが、映像を観終わったあとにはそれぞれが意味を持ったように見える不思議。
全てを観なくてもよいけれど、だからこそ全部観ることに価値があるような作品。
袁廣鳴(ユェン グァン ミン)
≪日常演習≫
よく見る台北の空撮映像かと思いきや、ふと感じる違和感。それが何なのか最初は全然わからなかったのだけれど、よく見ると人が一人もおらず車も動いていない。時が止まっているかのような映像。
台北で萬安演習という軍事演習が行われていることを全く知らなかった。
キャンディス ブレイツ
≪ラブ・ストーリー≫
これも初日に時間が足りなくて3日目に改めて観に行った作品。
2つに仕切られた空間の、一方では6人の難民のインタビュー映像が、もう一方ではアレック・ボールドウィンとジュリアン・ムーアが彼らの証言を再現した映像が流れている。
政治的に、宗教的に、紛争によって・・・などそれぞれ本人たちが語るストーリーよりも、二人の俳優が演じている映像のほうがなぜかリアリティがあるように感じられじっくり見入ってしまう不思議な体験だった。
休憩しつつではあったけど、ここだけでまる1日は十分楽しめるボリューム。
お友達と言ってワイワイ写真撮って楽しむのもよし、私みたいに一人でじっくり考えに浸るのもよし、こんな芸術祭が地元で開催されるなんて、名古屋の人たちが本当にうらやましく感じた。
あと、サカナクションのライブ「暗闇」も運よく鑑賞できた。
途中でおなかが痛くなってトイレに行ってしまったので最後まで見られなかったけれど。
※写真は後日UPするつもり。