あいちトリエンナーレに行ってきた -名古屋市美術館篇-
続きを書こうと思っている間にも、あいちトリエンナーレの状況はどんどん変わってしまい、とうとう展示中止が9作家になってしまった。
8/17時点のニュースでは、一部の作家の方は、完全に閉鎖するわけではなく展示内容変更ということなので新しい作品が何等か見られるのかな…とは思うけれどこれからどうなるのか?
さて、名古屋市美術館の印象に残った作品。
藤井光
第二次大戦中の台湾での訓練の様子を記録した映画と、その様子を再現した映像が1つの空間に展示されている。
過去の映像は過去の映像として鑑賞していたのだけれど、その横で流されている再現映像を観ると、当時の異様さがさらに強く伝わってくる感じ。
モニカ・メイヤー
ピンク系のカラフルなカードに書かれているのは、世界の女性たちが受けてきた性的差別に関するエピソードや、その時の気持ち、どうなってほしいかという願い。
私と同じタイミングで会場に入った若い女の子たちが、最初は「わー、かわいい!」とはしゃいでいたのに、徐々に静かに真剣にメッセージを読み進めるようになっていく姿が印象的だった。
この作品は、8/20以降は展示中止or変更となる模様。
カタリーナ・ズィディエーラー
≪Shoum≫
英語がわからないセルビア人(だったかな?)の男性二人がTears for Fearsの「Shout」の歌詞を文字起こししていく過程をおさめた映像作品。
言葉がわからないなりに理解し言語化しようとする姿勢と、その結果完成したよくわからない文章の羅列に、言語ということを考えさせられる。
芸術文化センターでは「家族」とか「人」とか、どちらかというと個に対する問いに気持ちが傾いたのに対し、こちらでは「人権」とか「戦争」などの社会や世の中の流れ見たいたところに気持ちが動いた気がする。